ハワイ島で綺麗な星空を見るために必要な知識（天体観測に適した時期）

もくじ

ハワイ島で綺麗な星空を見るために必要な知識

月齢を意識しよう！

星空観測をするにあたって大変邪魔になる月の光。半月でもかなり明るく、星が見えづらくなってしまうのです。月が出ている状態で星空スポットに行っても、星は見えません。星で有名なマウナケアでさえもアウト！

月の状態（月齢・月相・月出没時刻）を調べる時は下のサイトが便利です。

参考サイト

こよみのページ ／ 月出没時刻・方位角計算のページ

マウナケアの場合、世界標準時との時差：-10 ／ 東経（経度）：-155 ／ 北緯（緯度）：19 に設定。

新月や、新月前の三日月なら大当たり！その他の時期にあたってしまう場合は、星を見る時間によっては月の影響を受けてしまいます。

星の見頃の時間帯

基本的に、満月前なら日の出前、満月後なら日没後が星を見るチャンス！

ですが、満月と満月前後の2日は、綺麗な星空を見るのはほぼ無理。満月3日前、または3日後辺りから綺麗に見られる時間帯が出てきます。

参考までに表を載せておきますね。あくまでも目安なので、正確な星空観測に適した時間は後述する方法で確認して下さい。

朔望（月の満ち欠け）を基準にしています。月齢はご参考程度に留めて下さい。（朔望と月齢は必ずしも一致しないため）

満月の月齢は 14 としていますが、実際には 13.9～15.6 の間で変動します。上弦は 6.6～8.2、下弦は 21.4～22.8 の間で変動。

太陽も月も出ていない時間帯を探そう

月の出＆月の入りの時刻は、1日に約50分ずつ遅れる

満月は、日没後すぐに空に昇り始めます。そして満月の次の日は、満月の日に比べ月の出が５０分遅くなる。その次の日は更に５０分遅くなり…と日に日に月の出の時刻は約５０分ずつ遅くなります。

このようなズレがあるため、太陽と月の動きの関係には次のような特徴が現れます。

1. 満月より前：日中に月が昇り、夜間に月が沈む
   月が沈んでから日の出までの間に暗闇の時間帯が発生する。

2. 満月：日没と共に昇り、日の出と共に沈む

3. 満月の後：夜間に月が昇り、日中に月が沈む
   日没から月の出までの間に暗闇の時間帯が発生する。

4. 新月：日の出と共に昇り、日没と共に沈む

太陽も月も出ていない暗闇の時間帯。これが星を見るチャンスです。

星空観測に適した時間帯の調べ方

月と太陽の出没時間、天文薄明（←下で解説）が同時に見られるサイトで確認してみましょう。下記サイトで、これらを表示したカレンダーを作ることができます。

参考サイト

Sunrise Sunset Calendar > Hawaii Locations

地名を検索するか「Select Your City, Town or POI」で地名を選択 ／ Moon phases（月相）、Moonrise and moonset（月出没時刻）、Astronomical twilight（天文薄明）にチェック

スマホでは作成したカレンダーが見づらいのが残念。iOS用のアプリもありますが、360円と少々高め。

Sun Calendar

iOS

開発：Steven Edwards

上記サイトで作成したカレンダーがこちら。（マウナケアが選べないのでワイコロアで作成。）

例）ハワイ島 ワイコロア（2018年8月）

ハワイ島 ワイコロア（2018年8月）

カレンダーの見方

2018年8月の例では、満月が 8月26日。満月の3日前と3日後（8月23日と8月29日）の星空観測の見頃の時間帯を調べてみました。

満月前（8月23日）

1. 満月前は月の入りと日の出の時刻をチェック。
2. 月の入り（Moonset）：3:48 ／ 日の出（Sunrise）：6:05
   太陽と月が出ていない時間： 3:48～6:05
3. ただし、日の出前は太陽の光の影響を受け薄明かるい状態になっているので、星空観測に最も適した時間は、天文薄明（ハワイ島ワイコロアでは日の出の約75分前）までとなる。
4. 天文薄明（Twi A）：4:49
5. 星空観測に適した時間帯： 3:48（月の入り）～4:49（天文薄明）

満月後（8月29日）

1. 満月後は日の入りと月の出の時刻をチェック。
2. 日の入り（Sunset）：18:42 ／ 月の出（Moonrise）：21:08
   太陽と月が出ていない時間： 18:42～21:08
3. ただし、日の入り後も太陽の光の影響を受け薄明かりが残るので、星空観測に最も適した時間は、天文薄明（ハワイ島ワイコロアでは日の入りの約75分後）からとなる。
4. 天文薄明（Twi A）：19:57
5. 星空観測に適した時間帯： 19:57（天文薄明）～21:08（月の出）

天の川には見頃がある

綺麗な星空と言えば天の川。ハワイでは美しい天の川を見たいですよね！

意外ですが、天の川は年間を通していつでも見られます。でも、季節や時間帯、方角によって見え方は様々。クッキリとしていたり淡かったりと、見え方が異なります。つまり、見頃があるんです。

宇宙の広範囲に広がる天の川のどの部分が地上に現れているのか？これが重要。

天の川が最も濃く美しく見えるのは銀河の中心、さそり座、射手座のあたり。 これらが見える時期が、天の川の見頃となります。それは、いつでしょう？

ずばり、天の川のベストシーズンは、夏から初秋！方角は南。時間帯は日没後。となります。これは日本でもハワイでも一緒。

季節によって銀河の中心が見える時間帯は異なり、春の場合は日の出前となります。

天の川の見頃の時期、星空観測に適した時間帯、方角が南側。これらの条件が全て揃った時の星空はこんな感じ。

ワイコロアビレッジの アロハブリーズ にて
撮影時間 2107/7/14 20:45 ／ 月齢 20.8 ／ 南の空

下記サイトの星座早見盤でシミュレーションしてみると、ハワイでは春でも さそり座と射手座が見られるようですが、さすがに真冬は無理みたいですね。

参考サイト

Cielo Stellato 88星座完全ガイド > Stella Theater Web（ホノルルの空／南向き）

星が見やすい場所に宿を取ろう！

前述の天体的な条件をクリアしても、晴れてなきゃ意味がありません。そして空の暗さも重要。

せっかくなら、これらの条件に合う宿泊エリアに宿をとってみましょう。

おすすめの宿泊エリアは、コハラ・コーストとワイコロア・ビレッジです。

まず第一に晴れやすい。そして暗い。

カイルア・コナの街中は晴れやすいですが、光害が多く空が明るすぎ。ヒロは雨が多いのがネック。ボルケーノビレッジは真っ暗闇ですが、暗すぎるのも考えもの。森が鬱蒼としすぎていて、宿の外に出るだけでもコワイ…！雨も多いです。

オススメ 星空観測用アプリ

月のカレンダー+グラフ（Moon Calendar Pro）

月の状態を調べるのに便利なアプリ。特に、月と太陽の出没時間の一覧表が便利。

月のカレンダー+グラフ

iOS

開発：Rivolu LLC

基本情報

月の状態の基本情報。基点の場所はGPSで取得するか、都市名を検索することによって登録できる。なお、検索はアルファベットでないとヒットしない。

一ヶ月分の月齢表示

無料アプリでもよくある一ヶ月分の一覧表示。ここまでは、よくある機能。

月と太陽の出没時間の一覧表

月と太陽の出没時間が一覧で見られる！視覚的に分かりやすい。これなら、満月前後の星見の時間帯も一目で確認できる。

月と太陽の高度

下にあるバーを動かすことによって時間を指定できる。ムーンボウを探す時には重宝しそう。

Star Walk 2 Free

「Star Walk 2」は「Star Walk」の後継版。機能的にはそれほど変わっていないかも？操作感は新型の方が良い気がします。何となくレベルの差ですが。

Star Walk 2 Free - 星、衛星、惑星や星座

iOS Android

開発：Vito Technology Inc.

Star Walk 時間指定モード

旧型「Star Walk」の星空の画面。方角や地平線が「Star Walk 2」より分かりやすい。

時間指定モードは横向き固定。

Star Walk 2 時間指定モード

各星座が立体化し、キラキラ光るエフェクトが掛かるようになった。絵だけみると旧型の方が派手に見えますが、実際に触ってみるとこちらも結構派手。

時間指定モードは縦向き固定。

このアプリは、スマホをかざした方角に見えている星の名前や星座をリアルタイムに表示してくれるという優れモノ。星だけでなく、人工衛星やISS（国際宇宙ステーション）の位置まで示してくれるのがスゴイ。

なお無料版は、星の検索ができなかったりと、有料版にある殆どの機能が削除されています。でも、それだけでも確実に満足してしまうレベルのアプリ！